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記憶力を鍛える5つの方法
今日からできる習慣

「人の名前が出てこない」「さっき何をしようとしたか忘れる」。記憶は生まれつきの才能ではなく、使い方とコツで伸ばせる力です。今日から実践できる5つの方法を紹介します。

その前に:記憶には種類がある

ひとくちに「記憶」といっても、数秒〜数十秒だけ情報を保持して操作するワーキングメモリ(作業記憶)と、長期間ためておく長期記憶があります。「電話番号を一時的に覚える」のは前者、「昔の思い出」は後者。鍛え方も少し違うので、両方をバランスよく使うのがポイントです。

「覚えられない」の正体は3段階のどこか

記憶は、覚え込む(記銘)・保っておく(保持)・引き出す(想起)の3段階に分けて考えると、対策がはっきりします。人の名前が出てこないとき、多くの場合つまずいているのは記銘か想起です。

「記憶力が悪い」とひとくくりにせず、どこでつまずいたかを見分けるだけで、打つ手が変わります。

方法1:関連づけて覚える

バラバラの情報は忘れやすく、意味やイメージでつながった情報は残りやすいのが記憶の性質です。買い物リストを「玄関→冷蔵庫→…」と家の中を歩く順に並べて覚える「場所法」は、その代表的なテクニック。数字や単語も、語呂合わせやストーリーに変えると定着します。

方法2:思い出す練習をする(想起練習)

覚えるために「何度も見返す」よりも、「見ずに思い出そうとする」ほうが記憶は強くなることが知られています。テキストを読んだら閉じて要点を口に出す、覚えた数字を目を閉じて再現する——この“思い出す負荷”こそがトレーニングになります。一瞬記憶逆順記憶は、まさにこの想起の力を使うゲームです。

方法3:ワーキングメモリに負荷をかける

「覚えながら別のことをする」二重の負荷は、ワーキングメモリのよい刺激になります。研究の世界で有名なNバック課題や、覚えながら計算するデュアルタスクは、この力を意識的に使う設計になっています。最初はやさしい難易度から、少しずつ負荷を上げていきましょう。

方法4:睡眠を味方につける

意外に見落とされがちですが、記憶が脳に定着するのは主に睡眠中です。徹夜で詰め込むより、覚えたあとにしっかり眠るほうが残りやすい。慢性的な寝不足は、記憶だけでなく集中力や判断力も下げます。脳トレの効果を上げたいなら、まず睡眠を整えるのが近道です。

方法5:体を動かす・人と話す

ウォーキングなどの適度な運動は、脳の血流を促し、記憶に関わる領域に良い影響があると考えられています。また、会話は「相手の話を保持しながら返答を考える」高度な脳の作業。運動と交流は、机に向かう脳トレと同じくらい大切な“脳活”です。

方法6:間隔をあけて復習する

同じ回数の復習をするなら、1日で連続してやるより、日をあけて分散させたほうが長く残ります。これは分散学習(間隔をあけた復習)と呼ばれ、記憶研究の中でも特に再現性の高い知見のひとつです。

目安としては、覚えた当日 → 翌日 → 1週間後 → 1か月後、と間隔を広げていく形。忘れかけたころに思い出す作業が入るため、方法2の想起練習と組み合わさって効果が高くなります。資格試験の勉強でも、1日詰め込むより毎日30分を1週間続けるほうが定着します。

覚え方を選ぶ早見表

覚えたいもの向いている方法
人の名前と顔顔の特徴と名前を結びつける、会話中に名前を口に出す(記銘の強化)
買い物リスト・手順場所法。家の中を歩く順に品物を置くイメージで並べる
数字・暗証番号チャンク化と語呂合わせ。2〜3桁ずつ区切る
試験範囲の知識想起練習+分散学習。読み返すより閉じて思い出す
やろうとしていた用事外部化(メモ・アラーム)。ワーキングメモリに置き続けない

よくある質問

年齢とともに記憶力は落ちますか?

一時的に情報を保持する力や処理の速さは加齢の影響を受けやすい一方、知識や語彙、経験にもとづく判断は保たれやすいとされています。覚え方の工夫が効くのはどの年代でも同じです。

覚えるとき、書くのと声に出すのはどちらがいい?

どちらも「ただ眺める」より有効です。重要なのは手段より、自分から働きかける処理が入ること。書きながら意味を考える、声に出しながらイメージする、と組み合わせるとさらに残ります。

脳トレゲームで記憶力そのものが上がりますか?

そのゲームの成績は確実に上がりますが、日常の物忘れがどこまで減るかは個人差があります。ゲームは「思い出す練習を毎日する仕組み」として使い、睡眠や運動とセットで考えるのが現実的です。

大切なのは、完璧を目指さないこと。5つ全部を一度にやろうとせず、「今日は思い出す練習」「今週は睡眠を整える」と一つずつ。小さく始めて続けるのがいちばんの近道です。