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数字が覚えられない人のための
チャンク化入門

「0801234567」を一度で覚えられる人はほとんどいません。でも「080」「1234」「567」なら、急に手が届きます。この違いを生んでいるのがチャンク化です。

覚えられる「数」には上限がある

心理学者ジョージ・ミラーが1956年に発表した論文は、人が一度に扱える情報の数がおよそ7±2であるという指摘で広く知られています。その後の研究では、実際にはもっと少なく4前後ではないかという説も有力になりました。いずれにせよ、一度に保持できる数は驚くほど少ないという点は共通しています。

重要なのは、この上限が「情報の量」ではなく「かたまりの数」で決まることです。10桁の数字を1桁ずつ扱えば10個ぶんの負荷になりますが、3つのかたまりにまとめれば3個ぶんで済みます。中身の情報量は変わらないのに、負荷だけが減るわけです。

つまり「覚えられない」の多くは、記憶力そのものではなく、ひとかたまりを大きくできていないことが原因です。

かたまりの作り方

1. 数の切れ目で分ける

もっとも基本的なやり方です。10桁なら3-4-3、8桁なら2-3-3、というように自分の中で区切り方を固定しておきます。毎回違う分け方をすると、思い出すときに混乱します。

2. 知っている数に結びつける

「1945」を4つの数字として覚えるのではなく、知っている年号として1つの塊にする。「3141」なら円周率、「1192」なら歴史の年号。すでに頭にあるものと結びつけたかたまりは、新しく作るより格段に強いのが特徴です。

3. 語呂に変える

「39」をサンキュー、「4649」をヨロシク、といった変換です。意味のない数字列に意味を与えると、記憶に残る足がかりができます。よく使う数字だけでも語呂を用意しておくと役立ちます。

4. リズムをつける

区切りに合わせて頭の中で拍を刻むと、音のパターンとして残ります。電話番号を口ずさむように覚えるのは、この効果を使っています。

専門家が桁外れに覚えられる理由

記憶の研究では、訓練によって数十桁の数字を記憶できるようになった例が知られています。こうした人の能力を調べると、記憶の容量そのものが増えたわけではなく、自分の得意分野の知識を使って、大きなかたまりを作れるようになっていたことが分かっています。

たとえば陸上競技に詳しい人であれば、数字の並びを「10秒32」のような競技記録として捉えられます。3桁や4桁がひとかたまりになるため、同じ7つのかたまりでも、収まる情報量が何倍にもなるわけです。

ここから言えるのは、覚える力を伸ばしたいなら、覚え方の技術と同時に知識を増やすのが近道だということです。知識が多いほど、大きなかたまりを作れます。

使うときの注意点

便利な技術ですが、万能ではありません。次の点は知っておくと無駄がありません。

ゲームで試す

チャンク化の効果は、実際に試すとすぐ体感できます。

同じゲームを、区切り方を変えて2回遊んでみてください。工夫の有無で記録が変わることが、数字として見えます。

よくある質問

何桁ずつに区切るのが正解ですか?

決まった正解はありません。多くの人にとっては2〜4桁が扱いやすい範囲です。自分にとってしっくりくる区切り方を1つ決めて、それを使い続けるほうが効果的です。

数字以外にも使えますか?

使えます。買い物リストを売り場ごとにまとめる、手順を段階ごとにまとめる、単語を意味のグループに分ける——いずれもチャンク化です。項目の数を減らす、という発想はあらゆる場面に応用できます。

覚えたあとすぐ忘れてしまいます

チャンク化は覚え込むときの技術で、長く保つには別の対策が必要です。間隔をあけた復習が有効なので、記憶力を鍛える5つの方法もあわせてご覧ください。

⚠️ 本記事は健康・教育・娯楽を目的とした一般情報です。医学的な効果を保証するものではありません。